目標を設定することがどの企業でも重要です。目標の設定をするためには様々な項目がありますが、それらは具体的でなくてはなりません。会社の目標、チームの目標、個人の目標、何年の何月何日の何時までに達成するのか?中間目標設定やその見直しはいつやるのか?目標が高ければ高いほど先々には様々な困難が待っているでしょう。当然、その際には問題を解決する能力が求められていきます。ただ、事前に考えられる問題やリスクは事前に解決する必要があります。資金面は?人材は?ものは?その他起こりえる可能性を一つ一つピックアップしていくことによって最終的な目標設定が可能でしょう。
目標設定をし、次にそれを達成するための、短期目標、中期目標、長期目標と、具体的な目標計画をもつ必要があります。
例えば、ある会社が1年間で売上を110%、3年で150%、5年で200%などのように期間の目標を立てた場合、具体的に誰がいつ何をしなければならないかが自ずと見えてきます。
目標管理とは1950年代はじめにピーター・F・ドラッカーが提唱した「目標と自己管理によるマネジメント」(management by objectives and self control 通称はMBO)を起源としたマネジメントで、目標を達成するために、本人とその上司が一緒になって目標を設定して、進捗状況を管理し、問題を解決していきながらその目標の達成度を評価する。
近年の成果主義を採用する企業が増えている中で注目されている管理手法です。会社や部署の目標をただ個人に押しつけて最終結果を見るのでなく、個人の能力を上司が最大限に引き出していきながら、目標期間内でのそれぞれの中間地点の達成度を見極めていくことです。会社が求めている目標と本人が考えている目標に大きな隔たりがあった場合には、上司のコミュニケーションスキルや管理者として部下の目標達成度を高めるスキルなどが求められていくでしょう。
ただ、近年、目標管理を採用する企業は増えていますが、この制度を定着させるには多くの努力必要で、最終的に管理者のマネジメント力が重要です。
部下がこの制度で目標を達成できるようになれば、自分の頭で考えて目標の設定や目標管理が可能になります。その本人が自分の部下を持った場合には、その経験からさらに成功度の高い目標管理が可能になります。
本人や上司、そのまた上司などによるナレッジマネジメントを組み込んでいくことによって成功の可能性はさらに高まります。
目標は実現することによってはじめて意味を持ちます。また、実現したことが自信につながり、より高い次の目標に進むことが可能となります。
ただ、逆説的になりますが目標実現するためのプロセスもまた大切になります。しっかりとした課程があるからこそ目標を実現することができます。
経営者や経営陣、中間管理層は具体的な数値目標を立てる必要があります。セールスは当然明確な売上目標を数字で示します。株式会社であれば本来は売上高や経常利益だけではなく、総資本利益率(ROA)や株主資本利益率(ROE)の効率を高めることも重要です。
建設現場や営業車両、電車のメンテナンスのように人の命に関わるような場合は事故率や事故件数、故障件数の低減を具体的な数値として目標に上げます。
事務職のように他の社員をバックアップするのが仕事の場合はなかなか数値にして目標を立てるのは難しいものですが、「この作業をこのようにやる」、というような行動目標や業務目標を立てることによって作業効率が高まっていくでしょう。
「今月もがんばります」、だけでは売上目標はなかなか達成できません。経営陣が提示した売上目標を管理者から現場にただ伝えるだけでは目標を達成するのは難しいでしょう。
営業員や販売員、接客係が「どうすれば売れるのか」を正しく理解し、日々実践していくことが大切です。
新規の営業であれば個々の営業員のスキルやモチベーションが非常に重要になっていきます。接客なら正しい商品知識や分かりやすい商品説明などは最低限必要です。他店と差別化しづらい商品の接客であれば店長や管理者、またマーケティングマネージャなどによる、広告や集客が重要になってくるでしょう。
つまり、営業であれ販売であれ、店長やマネージャなどの管理者、管理職のリーダーシップや能力いかんで売上には大きく差が出てきます。管理者の部下に対する教育が売上目標を達成する大きな要素になってきます。
ただ、管理者はそれだけではなく、現場サイドから上がってきた情報を経営陣にフィードバックして、経営者が正しい意志決定をはかれるように情報を提供するのも仕事になります。
「売上をアップさせる」、「来期にあと5店舗増やす」、「顧客数を倍にする」、など、全社員にもっと業績を意識させることが業績目標を達成する鍵になるでしょう。当たり前のことですがこれがなかなか難しいものです。
業績や利益は社員の賃金制度にも関わっていきます。近年導入した企業が多かった「能力主義・成果主義」ですが、年収の不安定さが大きい場合や、上司の年齢が自分よりも非常に若い場合などは、従業員の離職率が高くなったり、継続的なモチベーションを持つことが難しくなったりするなど、弊害も多く、導入を見合わせたり、従来型とのの折衷案に変更したりする企業も増えてきています。
ただ、終身雇用の崩壊により、大企業であれ中小企業であれ、業績に対するインセンティブを従業員に与えるようにしなければ、業績目標を立てることも難しいでしょう。
やはり、人事制度の公平さや納得ができる成果主義でなければ、短期的にうまくいっても長期的にみて会社の活力が損なわれてしまう可能性もあります。
その他、MBO(目標管理)や外部コーチングなどの導入も考えられますが、いずれにしても制度は作るのは非常に簡単ですが、それを育てるのが最も難しいものです。根気よく育てていくことが業績を上げていく近道でしょう。
業務目標を設定し、その達成度をもとに評価が決まる目標管理のシステムを定着させるためには大変な労力を必要とします。
日常の業務の中で、従業員や管理者に大きな負担をかけずに業務目標を達成するには管理システムそのものも少しずつレベルアップしていきながら自社に合ったシステムを完成させていくのがいいでしょう。
「早起きは三文の得」と言われていますが、午前中は最も集中力が上がりやすい時間帯なのが、科学的にも証明されています。朝にその日のスケジュールをしっかりと確認できれば仕事ははかどりますので、午前中にその日の仕事の7割が達成できれば理想です。現実は難しいですが、特に管理者層は日々の業務に追われてしまいがちなので、「業務をいかにこなすか」、「部下にいかにして働いてもらうか」などを部下よりも早く出勤して、しっかり考える必要があります。
目的意識が高ければ分単位で物事を進めていけますので、自分が立てた行動目標をクリアしていくことによって、実際の成果も上がりやすくなります。実際の行動目標をルーティン化してしまうのがいいのですが、そこまでに至る考え方そのものを習慣づけて、継続することが大切です。
企業には利益を上げるという目的があり、個人には人によっていろいろな目的があるでしょう。
何かを目標にする際に、目的意識が強ければ強いほど目標は達成しやすくなります。やり方や知識、手順など、目標達成のための要素はいくつかありますが、モチベーションがなければ途中で「自分は何のためにこれをやっているのか」と迷いが出できてしまいます。
経営者は、企業などの組織の目的を、従業員である一人一人の個人に理解してもらい、組織の中での個人の目的意識を高めてもらう努力を怠ってはいけません。
例えばダイエットや習い事など、やろうと思っても長続きしないことがありますが、それは目標の立て方が間違っているからでしょう。
最初は、目標を達成したときの自分を想像して、非常に高いモチベーションで行動していきますが、三日、一週間、一ヶ月と、日がたてばたつほど、ペースが落ちて自然消滅してしまいます。
「毎日あれを何回やるぞ」と具体的な縛りを自分に設けることによって、モチベーションが下がった場合にその縛りが苦痛になっていきます。
自分が設定した行動目標を守るのが目的ではなく、最終目標を達成するのが目的のはずなので、目的意識を再確認して「少しずつでもやる」という気持ちが大切です。「毎日やらねば」と思ってしまうと、やらなかった日があるだけで目標までがとても遠く感じてしまいます。
MBOについては、経営学者ピーター・ドラッカーの『現代の経営』に以下のように記載されている。
「今日の企業が必要としているのは、個々の人の力と責任に広い領域を与えると同時に、彼らの志や努力に共通の方向を与え、チームワークを打ち立て、個人的目標と(企業・組織の)共通の利益を調和せしめるような経営原理である。これらのことを良く成し遂げられるのは目標設定と自己統制とによる経営しかないであろう」